活動予定・報告

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平成29年度文部科学省寄附フォーラム 事業報告
2017.08.10 | Category 活動報告

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【開催日】

平成29年7月11日(火)14:00~17:00

【場所】

東京大学 伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール

【プログラム内容】

14:00 開会挨拶(ビデオメッセージ)
文部科学副大臣
義家 弘介
14:05 基調講演
東京大学総長
五神 真
15:15 休憩
15:15 事例発表
①東京大学
②神戸大学
③西南学院大学
③早稲田大学
16:00 休憩
16:15 クロストーク
〔パネリスト/事例発表者〕
東京大学
稲葉 肇 【東京大学渉外本部長】
神戸大学
内田 一則 【神戸大学理事・副学長】
早稲田大学
三木 省吾 【早稲田大学総長室募金担当課長】
西南学院大学
大杉 晋介 【西南学院大学事務長】
〔コーディネータ〕
一般社団法人JapanTreasureSummit事務局代表
吉田 房代
17:00 閉会

【参加者数】

約450名


【開会挨拶】

皆様、こんにちは。文部科学副大臣の義家でございます。本日は、お忙しいなか「平成29年度文部科学省寄附フォーラム」にご参加いただきありがとうございます。
本フォーラムは、学校や、教育・科学技術・文化・スポーツ分野の独立行政法人等に対する寄附を増加させることを目指して、寄附に関する意識の醸成や成功事例の共有をしていただくために始めたもので、今年度で3年目を迎えることになりました。
この6月に閣議決定された「骨太の方針2017」においては、寄附文化醸成に向けた取組の推進を通じて、活力あふれる共助社会づくりを推進することが明記されており、我が国における寄附の重要性は増すばかりです。
学校や独立行政法人等においても、寄附による収入は、新たな取り組みへのチャレンジや、理事長などの裁量を生かした組織運営を財政面から支えるものとして、また、社会との接点の一つとして、今以上にその割合を高めていくことが期待されています。
また寄附をされる方にとっても、自らは直接なしえないことを寄附という形で参加し達成することができることから、社会参画の重要な手法であるとともに、誰もが生きがいを感じてその能力を思う存分発揮できる「一億総活躍」の日本をつくりあげていく一つの手段となりえるものと期待されます。
我が国には寄附文化がないという指摘もありますが、一方で昔から「恩返し」の文化はあると考えます。例えば大学の卒業生などは母校に対する恩返しとして、寄附をしてみたいという方もたくさんいるのではないでしょうか。是非、皆様におかれても積極的な取り組みをお願いいたします。
昨年度のフォーラムにおけるアンケート調査によると、「寄附による収入をあげるための先進事例を知りたい」という御意見が多く寄せられました。このため、今回のフォーラムでは、優れた実績を上げられている4大学から報告をいただき、皆様と先進事例の共有を図りたいと思います。
また、この会場においでいただけない方ともフォーラムの雰囲気や必要な情報を広く共有できるように、インターネットによる同時配信などの新たな手法も取り入れてみました。
皆様におかれましては、本フォーラムを通じて、今一度「寄附」について考え、それぞれの機関において積極的に取り組むきっかけとしていただけますようお願いいたします。
残念ながら、私は公務のため参加できませんが、本フォーラムが皆様にとって実り多きものとなることを期待しております。

【発表概要】

  • 1.基調講演

    『未来の人類社会づくりに貢献する「知の協創の世界拠点」の形成とそのための経営基盤の強化』
    ・経済グローバル化、世界が不安定化する中で、高度な知や新たな経済社会の駆動モデルの提示が必要であり、大学の果たす役割が大きい。
    ・現在大学内では、運営費交付金が増えない中、老朽化する施設の維持管理費が膨らみ、若手研究者雇用の不安定化を招くなど課題は多い。それは未来の学術資源の喪失であり国際競争力の低下につながる。大学は「運営」から「経営」することが求められている。
    ・経営における制約が多い国公立大学法人が寄附で多元化安定的財源を作っていくことが大切であり、寄附文化の醸成は極めて重要である。

  • 2.事例発表

    ①東京大学 『東京大学基金の取り組み』

    ○東京大学では、経営基盤の強化と自律的な経営の実現を目指し、「東京大学ビジョン2020」を掲げて基金活動を推進している。具体的には①2020年に年間50億円を目指すこと②評価性資産寄附を推進することを目標にしている。
    〇基金の体制としては、総長が座長を務める基本戦略会議で決定された方向性に沿って、渉外本部が寄附募集活動を行っている。渉外本部には15名の特任専門員が在籍している。
    〇個別の寄附プロジェクトとしては、奨学金、寄附講座、施設・施設名称付与などが挙げられる。
    〇さらなる寄附拡充に向けて、外部機関との連携、寄附文化醸成のためのイベントなどを活用して卒業生からの寄附を強化し、評価性資産(株式)の寄附を促進していく。

    ②神戸大学 『神戸大学基金の現状と取組』

    ○機能強化に取り組むための財政的基盤の充実をめざし神戸大学基金が2006年設立された。
    〇基金に係る体制としては学長を委員長とする基金委員会と基金担当理事が室長を担う基金推進室が連携しながら活動を推進し、学友会、同窓会、育友会(保護者)が支援している。
    〇寄附の実績としては増加傾向で、個人寄附も増加しており、特に卒業生以外からの寄附の増加が顕著である。
    〇寄附活動としての取り組みは、法人に対しては寄附講座や冠奨学金の提案、卒業生に対してはホームカミングデイやビジネスリーダーの会を開催するなど、対象者毎に様々実施している。
    〇寄附者に対しては基金ホームページに芳名記載をし、高額寄附者には銘板作成を行ったり、年間寄附額20万円以上の方には称号を授与している。
    〇ネーミングライツも実施している。例:神戸大学出光佐三記念六甲台講堂など

    ③早稲田大学

    ○グローバルリーダーの育成などを目指すWaseda Vision 150実現に向けての取り組みを進めており、寄附に関しては、2032年に年間100億円の恒常的寄附金を獲得することを目指している。
    〇大学にとって有益な情報は取りこぼしが無いように、また、あらゆるステークホルダーとの関係を強化するために、総長室内に社会連携に関する総合窓口「総合室社会連携課」を設置し、窓口を一本化した。
    〇現在柱となっている寄附活動や特徴的な使途として、会員になると各種特典を受けられるWASEDAサポーターズ倶楽部や、多機能型スポーツアリーナ建設を補助する早稲田アリーナ基金などが挙げられる。
    〇指定寄附も積極的に受け付けているが、受け入れ事務は各部署が対応している。
    〇寄附者に対しては金額に関わらず芳名発表、金額に応じた名誉称号を贈呈。
    〇寄附者に対しては感謝を忘れずに、募金局だけで行わず大学全体で、恒常的な支援を受けることを意識することを心がけている。卒業生との関係構築は最重要である。

  • ④西南学院大学 『創立100周年記念募金事業から恒常的募金へ』

    〇2013年7月~2017年3月まで、目標額を30億円として創立100周年記念募金活動を行った。同窓会所有の同窓生データを学院で更新・管理し、募金依頼を送付、企業訪問を開始した。結果約10億2500万円が集まった。
    〇募金活動を振り返って、途中で同窓生等に基金依頼回数を年2回に増やしたこと、銘板を設置したこと、利便性を重視し、若年層をターゲットとしたコンビニ振込を取り入れたことは効果的だった。また、「最後まであきらめない」「依頼をしないと寄附はない」と心に留めることが大切だと感じた。
    一方反省点としては、寄附が何のためにどう使われるのか、目的・用途の説明が不十分だったこと、遺贈相続の周知不足、募金対象が狭かったこと、企業訪問数の不足などが挙げられる。
    〇今後は同窓生の把握強化、在学生時代からつながりを作っていくこと、100周年記念募金でのつながりを継続すること、遺贈、相続の周知強化などに重点を置きながら、恒常的募金活動を実施していきたい。

  • 3.クロストーク

    ○以下の流れで実施
    ①コーディネータからクロストークの進め方等について説明
    ②事例発表者から寄附活動におけるトップボードの関与・役割についての紹介、意見
    ③会場内質疑応答
    ②寄附の事業を進めるのにトップの意識や関与が極めて重要だが、恒常的に寄附を集め、拡大を目指しているパネリストが所属している4大学について、トップがどのように寄附活動に時間を使い、関わっているのか紹介を促す。
    (東大)総長からは基金についての方向性や方針を指示頂くのが第一。二点目は大きな額の寄附をお願いするときの最後の一押しは総長に担って頂くのが効果的。三点目はその寄附が成就した時の御礼も総長自ら伝えて頂くことが大きい。
    (神大)東京の企業の経営陣に総括副学長が訪問している。成就した場合には学長が訪問する。その例としてシスメックス㈱から多額の寄附を得て神戸のポートアイランドに国際がん医療・研究センターを設立することになり、御礼を伝えている。卒業生との連携の強化を図っているが、学長の「志」を大切にしていこうと信念から、学長自ら学生とのビデオ対談をするなど、なるべく表に出て卒業生に大学の現状を知ってもらおうと努力している。卒業生とつながる上で大切な取り組みだと感じている。
    (早大)総長、副総長、募金担当理事については、様々な寄附者とのイベントや贈呈式にはすべて出席頂いている。他にもホームカミングデーや各地域での卒業生の総会にも積極的に足を運び早大の取り組みを伝えてもらっている。卒業生は昔の早大のイメージが強く残っており、グローバル化や女子学生の増加など、現在の早大の姿を間違いのないように伝える地道な活動が重要なので、積極的に関与してもらっている。
    (西大)実際に寄附活動を行って、役職の重みを非常に感じている。トップはトップでなければ会ってくれない場合も多い。部長がお願いにいってもなかなか寄附につなげるのは難しいが、理事長や学長が会いにいけば即数千万の寄附につながったという事例もある。
    ③質疑応答内容
    Q:目的指定の寄附者についての御礼、報告の現状は?
    A:(早大)一度付与すれば消失することはない。
      (神大)毎年度の累計(年間20万円以上)毎に付与。
      該当者には名前入りのカレンダーなどの記念品も贈呈。
      (東大)累計金額に応じて称号付与。ランクダウンはない。
      (西大)可能な限り寄附者の意思を組み、実際に成果を見学して。もらった。

    生を取り込む工夫は?銀行の専門家を雇っての運用をしているか?
    A:(神大)職業・職種毎のOB交流会開催、ネットワーク作り。
      専門家を雇用しての運用はこれから。
      (東大)団結力が強いスポーツクラブのまとめ役とコンタクトを取って、実現したい事を渉外部と相談しながら、いったん大学に寄附してもらい大学を通じて各部に支給する。
      専門家を雇用しての運用にはルール作りが必要。
      (早大)卒業生のグループ、1300ある稲門会に出向いたり資料を送付。
      卒業年毎の同窓会やホームカミングデーなどを企画、実施。
      専門家を雇用しての運用は行っていない。
      (西大)東京にて若手の集まりや出身議員の集まりを企画。

    Q:名誉称号の期限は?
    A:(早大)一度付与すれば消失することはない。
      (神大)毎年度の累計(年間20万円以上)毎に付与。
      該当者には名前入りのカレンダーなどの記念品も贈呈。
      (東大)累計金額に応じて称号付与。ランクダウンはない。
      (西大)特典は消失しない。

    Q:ファンドレイザーに求める資質やスキル、経歴は?
    A:(東大)一人一人に対して説明し合意を形成するスキルは大切だが、寄附者との相性も大切。金融、ファイナンスの知識は有用なのではないか。
      (コーディネーター)イギリスのUCLの学長によると、ファンドレイジングとは、とにかく様々な人と会って話をすることが大切だと仰っており、それを楽しんで、前向きに捉えて活動できる人が活躍できるのではないかと感じた。

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