令和3年7月7日に、彫刻家の籔内佐斗司先生を座長としてお迎えし、「今考える岡倉天心のこころ~コロナ以後の国家指針を求めて」と題して第16回JTSサロンを開催いたしました。
籔内先生は彫刻家として、仏像の構造技法研究と修復の経験をもとにした独自の技法を駆使して、この世の事象現象の背後に潜む自然界のエネルギーを象徴する「童子」をモチーフに、多くの彫刻作品をご制作、2008年に「平城遷都1300年祭」の公式マスコットキャラクターとして発表された「せんとくん」の制作者でもいらっしゃいます。また、国宝・重文を含む多くの貴重な仏像の調査・修復にも精力的に取り組まれています。東京藝術大学を副学長としてご退職後、現在は奈良県立美術館館長、ミスパリ学園ビューティ&ウエルネス研究所所長としてご活躍されています。
当日は、「東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校の創立者である岡倉天心は、日本の歴史と文化に立脚した文化戦略を提唱した孤高の哲学者であり思想家であった。近年の「失われた30年」といわれる時代に、アメリカ発のグローバル思考と経済に席巻されたわが国だが、コロナ禍によって、世界は多様性の時代が加速している。世界から日本への一方通行であったグローバル戦略の指針を、日本から世界に向けて切り変えなければならない時代に、岡倉天心の思想を振り返る意義は大きい。」という、先生の深い思いを語っていただき、日本人が先人より受け継いできた文字、言葉、そして文化や歴史について改めて振り返り、次世代にいかに伝え残していくかについて考える貴重な機会を、ご出席者にご提供できました。
